かみなし子こんにちは

取り留めなくおんなひとりの生活をつらつらと

かみなし子こんにちは

片想いの人は一晩をくれなかったから嫌いになれない

今週のお題「あの人へラブレター」

 

かみなし子です。
お題に振り回されている女。

目次

 両想いの経験の方が少ないけれど、人生で一番好きで片想いしかできなかった人の話を。

 

相手のスペックは低かった。けれど、好きになった。

それでも好きになったのは、若かったからかしら。

バンドマンだった。

女子会すると、「やめときなよ」と大合唱になるタイプだ。まぁ、わたしも音楽やってたんだけれど。楽器やってる人、歌が上手い人はどうしてもかっこよく見えてしまう。ピアノが弾ける人だった。クラシックで、あまり誰かと演奏しているところは見なかったけれど、出会ったのはサークルの飲み会だった。そこで群れずに、端っこで飲んでるかタバコ吸ってるその人に興味を持ってしまった。当時のわたしは新入生で、ファッションリア充を気取って色んな人に話しかけようという恥ずかしいお熱が出ていた。今のわたしだったらしないかもしれない。他の真性リア充と違って(彼らは何かを掛け持ちしたがるので、ゼミやらバイトやら他のサークルやらに顔出しがちで練習に常に来るわけではなかった)、ろくに単位も取らず留年しまくり、常にピアノを弾いている彼のいる部室で、よく顔を合わせるようになった。

 

変なタバコを吸っていた。

これも、当時のわたしからしたら、苦手だったので(今も副流煙は嫌い)好きになるわけないけれど。でもあるよね、喫煙者好きになってタバコ吸っちゃう女。わたしで〜〜〜〜す!!!! 初めて吸ったのは彼の吸っていたキャスターでした!!!*1 最近になって彼が吸っていたタバコはインドネシアの、お香かなというくらいの香りが強すぎる12本くらいのものだった。フィルタもついていないのかな。


だから当時大して吸わなかったわたしはもらいタバコもできないので、飲みに行くときだけ、その場で1mgメンソール買っては余らせて、処分に困っていたっけ。

 

顔はタイプじゃなかった。

かっこよくもない。好みでもない。だけど大好き。クシャっと笑う顔とか、だらしなくヘラヘラ喋る感じとか。声も大好き。鼻にかかっていて、電話するのが大好きだった。おしゃれもせず古着屋でよくわからない服を着ていた。美容院に行かないからロン毛か坊主のどちらかだった。

読書と映画が好きな人だった。

音楽はバッハ、数学が好きで、エロ漫画から哲学まで読む、映画も詳しい。本は暇な10代を過ぎてから離れてしまったわたしだけれど、映画が今も好きなのは、彼の影響も大きいかもな。

婚活なら条件が何一つ合格しない人だった

月収12万円と言っていた。卒業前から潰れそうな古本屋でアルバイトして、そのまま社員にならずにずっと今も。本が読めるから今の職場がいいんだそうだ。高校も大学も、決して悪いところにいた人ではない。けれど、厭世観、みたいなものが彼からは漂っていて、それがわたしの感覚をまた鈍らせた。古い小説なら、貧しい書生といった役どころだろう。


飲みに誘うと、読み終わった古本を売ってお金を作る人だった。お金がなくてもタバコは買っていた。一緒に歩いていて、本を見つけると、またそのお金で買ってしまう人だった。住んでいたアパートは中央線で3万円もしない事故物件だった。本に囲まれている暮らしをしていたそうで、想像ができなかった。

安居酒屋で楽しかった

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今は生意気な売れ残りOLのわたし。初回のデートでファミレスはありえない、食べログで★3.5以下はあり得ない、単価が3000円台なんて。全額奢りじゃないなんて。そんなことばかり言っていた時代。だけれど、彼とのデート(わたしが無理やり誘うだけのものにすぎない)なら古本屋に一緒にいるだけでよかった、わたしには理解できない映画の試写会の隣にいるだけでよかった、昼間からおじさんが酔っ払っているような安居酒屋でビールとタバコにまみれていることが幸せだった。

出会って3カ月で告白して振られた

入学して新学期ボケが抜けない、19歳の頃だった。付き合ったことも告白したこともされたこともないこじらせ女子が、「あ、この人好きなんだ」、と都合のいい勘違いを重ねて重ねて、思いが我慢できなくなって、生まれて初めての告白。「あのね、●●さんのことが、、、、好きなの」

敬語が外れてしまい、言い放った瞬間「好きです」と言い切ることができずに、余計に気持ち悪く聴こえなかったかな?と後悔した。19歳の頃だった。それ以前に、恋愛が下手くそでしかなかった。喫煙所の端っこで夜に2人でいた大学の構内は、今も見ると心がきゅうっとなる。今だったらそこで1人でタバコ吸っていられるけれど、最近は大学も禁煙を徹底して、その灰皿は撤去されている。

 

理由は「好きな人ではないから」といった、極めて真っ当なものだった。その後も1時間くらいはダラダラと話していたのだろうか。「見返して後悔させるんだからね!」と言って、1人で終電に間に合わせて走ったのはただの遠吠え、実際は2~3年は引きずって、ようやく忘れてきたころに、初めて「カレシ」とできる人ができて、キスをして、その先も体験したのはその後23歳になった時のことだった。

 

先輩と後輩が、友人関係になった

わたしに彼氏ができたときも、いないときも。お互い卒業してからも。卒業して、わたしがひとり暮らしを始めて。
電話をすれば出てくれた。メールは返信を全然くれないから。まだきっとわたしのあげたお古のガラケーを使っている。
飲みに誘えば会ってくれた。家のそばから出たくないから、わたしが彼の住んでいる中央線の最寄り駅まで行って。
時間を約束した。いつも彼の方が遅刻して、その間はずっと重い気分になりながらも、あっけらかんと「寝てた」と言う聞いて顔を見るといとおしくなってしまった。

 

でも、お願いしても彼の部屋には入れてくれなかった。


お願いといっても、「部屋にある本見たいです」と言うくらいの、希望なのかなんだか、わからない、意気地なしの告白だ。酔った勢いで抱きついてしまおうとも思ったけれど、頑張って肩を組むのがやっとだった。腕を絡めたとき、あぁ、背の高い人が好きだな、と確信した。

 

と言っても恋人がいた時もあったし、恋人じゃない人と遊んで服を脱いだこともたくさんあった。

 

「かみなしさんはさ、最近どうなのよ」


何もない感じでいつも聞いてきた、ニヤニヤしながら。昔は下の名前呼び捨てにしたこともあったよね?いつから苗字にさん付けになっちゃったのさ。

 

そのたびに、OLになったわたしは、恋活や婚活の失敗談を、面白おかしく話す。男には困ってないんだよ、という雰囲気を纏って話す。でも、あなただったら楽しいのにな。そういうニュアンスを残そうと必死になったけれど、何も伝わりやしない。

 

そのうち彼は、自分から猛アタックして、わたしより年下の女の子と恋人になった。
全然、会ってくれなくなった。半同棲か、そりゃ電話もできなくなるよな、羨ましいな、わたしもやっていたけどさ。

 

ただ一回、したら、もう彼のことをいらなくなったのに

わたしの告白を、とりあえず肯定して、ポイっと適当に、ゴミのように捨ててくれていたら。


いや、処女のわたしは面倒くさくてしょうがなかったから、あの頃はやっぱりだめだな。


今のわたしなら、「あ〜〜やっぱり男なんてろくなものじゃないよな〜〜!」と言って忘れることができたのに。
嫌われてくれよ、わたしから。お願いだから。

 

今のわたし、その後

そのうち今のわたしは、ブログを始めるようになって、孤独の時間が減ったと思う。SNSでテキストのやりとりは、ペースが速い。
どうしようもなく寂しい時に、電話をしたら、とりあえず繋がらなくても、その後1時でも2時でも折り返してくれて、夜明けに気づく頃までは話していた。今は、このダラダラした話は、ブログに叩きつけて終わりだ。そういえば彼のmixiが大好きだった。支離滅裂で、脳内だだ漏れ、何言ってるかわからない。あれ、口調も似せていないだろうか、わたし。

 

ラブレターか。やっぱり照れくさくて、無理だな。そもそも、読まないだろう、彼なら。

 

先日、彼の誕生日に、こんなメールを送るのがやっとだった。
返信はなかった。

 

 

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それでも、もう10年くらいiPhoneを使っているが、パスコードはずっと同じ4桁の数字。

 

彼の誕生日だ。


指が覚えてしまっているから、変える気になれない。

 

 

 

 

あとがき

気持ち悪いと思うか、甘酸っぱいと思うかは、あなたのご判断に任せるよ。

 

ちょっとここまでポエム書き捨てて投稿する勇気はないので。。。言い訳タイムである。


大して面白くも書けなかったな。 なんだか適当に、いつものおかしく書き散らかしたくなかった感じがあったので、今はこのままにしておこうと思う。自分のために書いてるから満足ではある。

 

私小説って何?

こういうのって、たまにブログに見かけるけど、私小説にもできるのかもしれない。田山花袋という言葉しか浮かばない。実際に読んでいたというより、受験勉強の記憶程度の文字の並びでしかない。就職してからかな、あらゆる活字の出版物を読まないからわたしには多分書けないと思う。コラムやらSNSしか読んでこなかった人生よ。
読みにくいと思うけれど、自分のために書いてるから、ごめんね。

 

ひとりが好きになったわたしは、今度彼と会っていた街で、ひとり遊ぼうと思う。
純喫茶でタバコを吸おう。

 

おわりです

*1:実際は常習化するタイミングは違ったけど